申請代行業者(コンサル)って怪しくない?悪質業者を見抜き、本当に信頼できるプロを選ぶための「7つの基準」【完全保存版】

目次

はじめに:「着手金ゼロ!」「必ず採択させます!」その甘い言葉、信じて大丈夫?

「社長、補助金を使って設備投資しませんか? 手出しゼロで導入できますよ」

「採択率100%の実績があります。面倒な書類作成は丸投げでOKです」

会社のFAXやメール、あるいは突然の営業電話で、このような勧誘を受けたことはありませんか?

正直なところ、「うさんくさいな」「怪しいな」と感じている経営者様(あなた)は、非常に正常な感覚をお持ちです。

補助金・助成金の申請支援業界は、残念ながら玉石混交(ぎょくせきこんこう)です。

素晴らしい知見を持ち、御社の事業成長を本気で考えてくれるプロフェッショナルがいる一方で、「手数料さえ取れればいい」と考える悪質なブローカーや、実力のない「自称コンサルタント」が数多く存在しているのも事実です。

しかし、だからといって「コンサルなんて全員詐欺だ」と決めつけ、すべてを自力でやろうとするのも、多忙な経営者様にとってはリスクが高い選択です。膨大な公募要領を読み込み、数十ページの書類を作成する時間は、本業の売上を作る時間を奪ってしまうからです。

重要なのは、「本物のプロ」と「怪しい業者」を見分ける目を持つことです。

この記事では、補助金申請の最前線に立つ私が、業界の裏事情も包み隠さずお話しし、「絶対に失敗しないコンサルタントの選び方」を徹底解説します。

これを読めば、怪しい営業電話を自信を持って断れるようになり、御社の右腕となってくれる最高のパートナーを見つけることができるはずです。


1. なぜ「補助金コンサル」は怪しいと思われるのか?業界の裏側

そもそも、なぜこの業界には「怪しい」というイメージがつきまとうのでしょうか。敵を知るには、まずその構造を知る必要があります。

1-1. 誰でも明日から「コンサル」を名乗れる

税理士や弁護士のような国家資格がなければ名乗れない職業とは異なり、「補助金コンサルタント」には特別な免許が必要ありません。

極端な話、昨日まで全く別の仕事をしていた人が、今日から「補助金のプロです」と名刺を作って営業しても、法律上は問題ないのです。この参入障壁の低さが、質の低い業者を乱立させている最大の原因です。

1-2. 「採択=ゴール」になりがち

補助金の本来の目的は「事業の成功」ですが、コンサルタントにとっては「採択(合格)させて成功報酬をもらうこと」がゴールになりがちです。

そのため、「採択されさえすれば、実現不可能な計画でもいい」と考える悪質な業者が、嘘や誇張を混ぜた申請書を作ってしまうケースが後を絶ちません。そのツケを払うのは、補助金をもらった後の御社です。

1-3. 成功報酬の相場がブラックボックス

「着手金10万円、成功報酬10%」というところもあれば、「完全成果報酬で30%」というところもあります。定価がないため、「高額な手数料をふっかけられているのではないか?」という疑念が生まれやすいのです。


2. 依頼する前に知っておくべき「3つのリスク」

もし、選び方を間違えて「ハズレ」の業者に依頼してしまった場合、どのようなリスクがあるのでしょうか。単にお金を失うだけではありません。

リスク①:採択されない(時間と着手金の無駄)

実力のないコンサルタントに依頼すると、見当違いな書類が出来上がります。結果、不採択。

着手金を支払っていた場合、それは返ってきません。何より、申請のために費やした数ヶ月という貴重な時間が無駄になります。

リスク②:採択後のトラブル(交付申請・実績報告の放置)

補助金は「採択」された後が本番です。「交付申請」や「実績報告」といった煩雑な手続きを経て、やっとお金が入金されます。

悪質な業者は、採択通知が出た瞬間に成功報酬を請求し、その後の面倒な手続きをサポートせず連絡が取れなくなることがあります。これでは、権利はあるのにお金が受け取れないという最悪の事態になります。

リスク③:不正受給の共犯にされる

「売上をちょっと水増ししましょう」「実態のない機械を買ったことにしましょう」

悪徳業者の甘い誘いに乗って不正な申請をしてしまうと、発覚した際にペナルティを受けるのは御社です。加算金を含めた返還命令、社名公表、最悪の場合は詐欺罪での刑事告発。コンサルタントは逃げても、経営者であるあなたは逃げられません。


3. 「怪しい業者」を一発で見抜く!危険な営業トーク4選(NGワード)

営業電話や面談で、以下の言葉が出たら要注意です。即座に「お断りします」と言って電話を切って構いません。

NGワード①:「100%採択されます」「必ず通します」

真実: 補助金の審査は相対評価であり、審査員との相性もあります。どれほど完璧な書類でも落ちることはあります。プロであればあるほど、「絶対」という言葉は使いません。「過去の実績で90%」とは言えても、「未来の案件で100%」を保証するのは詐欺の手口です。

NGワード②:「面倒な書類作成は、すべて丸投げでOKです」

真実: 耳障りは良いですが、これは危険です。補助金の申請書には「経営者の意思」が反映されていなければなりません。ヒアリングもせずに勝手に書類を作るということは、使い回しのテンプレートを使っているか、でっち上げの計画を作っているかのどちらかです。また、行政書士法などの法律に抵触する恐れもあります。

NGワード③:「この機械を買えば、補助金申請を無料にします」

真実: いわゆる「抱き合わせ販売」です。OA機器や特定のツールを売りたいがために、補助金をエサにしているパターンです。この場合、商品の価格が相場より高く設定されており、実質的に損をするケースがほとんどです。

NGワード④:「特別なコネ・ルートを持っています」

真実: 「審査員を知り合いに持っている」「政治家の口利きがある」と匂わせる業者がいますが、現在の補助金審査(特に国の制度)は厳格な匿名審査やAI活用が進んでおり、コネが通用する余地はまずありません。ただのハッタリです。


4. 信頼できるプロを選ぶための「7つの基準」【チェックリスト】

では、どのような基準で選べばよいのでしょうか。面談時に以下のポイントを確認してください。

基準①:「認定経営革新等支援機関」であるか?

国の補助金(ものづくり補助金、事業再構築補助金など)の多くは、国が認定した「認定経営革新等支援機関(認定支援機関)」のサポートを必須としています。

これは、税理士、中小企業診断士、商工会議所、一部のコンサル会社などが取得している認定です。

まずは「御社は認定支援機関ですか? ID番号を持っていますか?」と聞いてみましょう。これがないと、そもそも申請できない補助金が多いです。

基準②:同業種の採択実績があるか?

「実績多数」と言っても、飲食店の申請が得意な人が、IT企業の申請も得意とは限りません。業界特有の商慣習や課題を理解しているかは、書類の説得力に直結します。

「私の業界(〇〇業)での採択実績はありますか? 具体的な事例を教えてください」と質問してみましょう。

基準③:報酬体系は明確かつ適正か?

業界の一般的な相場を知っておきましょう。

  • 着手金: 0円〜15万円程度
  • 成功報酬: 採択金額の10%〜15%程度
  • ※注意: 完全成果報酬(着手金0円)の場合、成功報酬が20%〜30%と高めに設定されることが多いです。

逆に、「着手金だけで50万円」や「成功報酬が40%」といった極端な設定の業者は避けるべきです。見積書を必ず取り、他社と比較してください。

基準④:採択後のサポートが含まれているか?

先述の通り、採択後の手続き(交付申請・実績報告)こそが大変です。

「成功報酬の中に、採択後のサポート費用も含まれていますか? 別料金ですか?」と必ず確認してください。良心的な業者は、最後まで伴走してくれます。

基準⑤:ヒアリングを重視しているか?

良いコンサルタントは、御社の話を徹底的に聞きます。

「なぜこの事業をやりたいのか」「今の課題は何か」「将来どうなりたいのか」。

逆に、御社の話を聞かずに「じゃあこのテンプレートに当てはめましょう」と進める業者は、採択される書類を書く能力がありません。

基準⑥:リスクについても説明してくれるか?

メリットばかりを強調せず、「この補助金はここが大変です」「採択されても資金繰り(つなぎ融資)が必要です」といったデメリットやリスクまできちんと説明してくれる人が、信頼できるパートナーです。

基準⑦:担当者との相性(これが一番大事!)

最後は人間としての相性です。数ヶ月、場合によっては数年にわたって連絡を取り合う相手です。

「レスポンスは早いか」「言葉遣いは丁寧か」「威圧的ではないか」。

直感的に「この人とは合わないな」と思ったら、やめておくのが賢明です。


5. 資格別・依頼先の選び方(誰に頼むのがベスト?)

「コンサル」と一口に言っても、背景にある資格によって得意分野が異なります。御社の目的に合わせて選びましょう。

依頼先特徴・得意分野こんな人におすすめ
中小企業診断士経営コンサルの国家資格。事業計画のストーリー作りが得意。「ものづくり補助金」「事業再構築補助金」など、高額で難易度の高い補助金を狙う場合。
社会保険労務士人事・労務のプロ。厚生労働省系の「助成金」申請が可能(独占業務)。「キャリアアップ助成金」など、雇用関係の助成金をお願いしたい場合。※助成金は社労士以外に依頼できません。
行政書士書類作成のプロ。手続きの正確さが売り。建設業や運送業など、許認可が絡む申請や、手続き重視の補助金の場合。
税理士お金のプロ。決算書の内容を深く理解している。顧問税理士が認定支援機関なら、まずは相談を。ただし、文章作成が苦手な税理士もいるので注意。
民間コンサル会社営業力とスピード感が売り。チーム対応で大量案件もこなす。とにかく早く申請したい場合。ただし担当者の当たり外れが大きいので見極めが必要。

6. あなた自身も汗をかく必要がある!「丸投げ」の落とし穴

良いコンサルタントが見つかったとしても、一つだけ覚えておいていただきたいことがあります。

それは、「補助金申請は、コンサルタントとの共同作業である」ということです。

コンサルタントは「翻訳機」です。

経営者であるあなたの頭の中にある「熱い想い」や「事業のアイデア」を、審査員に伝わる「論理的な文章」に翻訳するのが彼らの仕事です。

元となる「想い(アイデア)」がなければ、どれほど優秀な翻訳機でも何も出力できません。

  • 必要な資料(決算書や見積書)をすぐに用意する。
  • 事業のビジョンを自分の言葉で語る。
  • 出来上がった申請書を自分で読み込み、内容を理解する。

この姿勢を持つ経営者様ほど、採択率は格段に上がりますし、コンサルタント側も「この社長のために頑張ろう」と気合が入るものです。

「お金を払うんだから全部やってよ」というスタンスではなく、「一緒に事業を成功させるパートナー」として接することが、成功への近道です。


まとめ:良いパートナー選びは、事業成功への第一歩

「補助金コンサルは怪しい」

その警戒心は持ち続けてください。しかし、その警戒心フィルターを通して「本物」を見つけることができれば、これほど心強い味方はいません。

今回の記事のポイントをおさらいしましょう。

  1. 「100%採択」「丸投げOK」などの甘い言葉は詐欺のサイン。
  2. 認定支援機関かどうか、実績はあるか、報酬は適正かを確認する。
  3. 採択後のサポート(実績報告)までやってくれる業者を選ぶ。
  4. 社労士(助成金)や診断士(補助金)など、目的に合った専門家を選ぶ。
  5. 丸投げせず、一緒に汗をかくスタンスで取り組む。

補助金や助成金は、御社の未来を切り拓くための大切な資金です。

その大切な資金を任せるのですから、価格の安さだけで選ぶのではなく、「この人なら信頼できる」「この会社なら長く付き合える」と思えるパートナーを、慎重に選んでください。

良いコンサルタントとの出会いは、単に補助金が採択されるだけでなく、御社の経営課題を整理し、次のステージへと押し上げてくれるきっかけになるはずです。

この記事が、御社にとって最良のパートナー選びの一助となることを心より願っています。


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