10年前のサイトを放置する危険性。セキュリティとブランド失墜のリスク

目次

~そのホームページは「デジタル廃墟」化していませんか?経営者が知るべきWebの寿命~

「うちは10年前にちゃんとした業者に作ってもらったから、まだ大丈夫だろう」

「何も更新していないけど、誰も見ていないだろうし、特に問題ないよ」

もし、あなたがこのようにお考えだとしたら、少しだけ耳の痛い話をさせてください。

Webの世界における「10年」は、現実世界の「30年」以上に相当します。

10年前といえば、まだスマホが今ほど普及しておらず、LINEも始まったばかりの頃です。その頃に建てられたビル(Webサイト)を、メンテナンスも改修もせずに放置しているとしたら…。

それは今、インターネット上で「窓ガラスが割れ、壁が剥がれ落ちた廃墟」として晒されているのと同じ状態かもしれません。

「脅かさないでくれ」と思われるかもしれません。しかし、放置された古いサイトは、単に「見た目が古い」という問題だけでなく、「顧客情報の流出」「企業ブランドの失墜」といった、取り返しのつかない経営リスクを孕んでいるのです。

この記事では、Web集客の視点から、「なぜ古いサイトを放置してはいけないのか」その理由を包み隠さずお話しします。

専門用語は使いません。経営者であるあなたに、今すぐ知っていただきたい「資産を守るための知識」です。ぜひ、自社のサイトを開きながら読み進めてください。


1. Webサイトの寿命はなぜ「5年」と言われるのか?

車に車検があり、建物に修繕計画があるように、Webサイトにも「賞味期限」と「寿命」があります。一般的に、Webサイトの寿命は長くても「5年」と言われています。

なぜ、形のないデジタルデータに寿命があるのでしょうか?

1-1. インターネットの「ルール」が変わるから

最大の理由は、インターネットの支配者とも言えるGoogleや、閲覧ソフト(ブラウザ)のルールが頻繁に変わるからです。

10年前のルールで作られたサイトは、現代のルールには適合していません。

例えば、昔のテレビ(アナログ放送)が今の地デジで見られないのと同じように、古い技術で作られたサイトは、最新のiPhoneやPCでは正しく表示されなかったり、警告が出たりするのです。

1-2. 「見ている人」が変わるから

10年前、お客様はパソコンの大きな画面であなたのサイトを見ていました。

しかし現在、アクセスの7割〜8割は「スマートフォン」からです。

PC用に作られた横長のサイトをスマホで見ると、文字は米粒のように小さく、リンクは指で押せません。

これは、お客様に対して「どうぞお帰りください」と言っているのと同じです。時代の変化に合わせて「店構え」を変えない企業は、顧客から見放されてしまうのです。


2. 最も恐ろしい「セキュリティ」のリスク

ここからが本題です。古いサイトを放置する最大のリスクは、デザインではなく「セキュリティ」です。

「ウチのような中小企業のサイトなんて、ハッカーは狙わないよ」

そう思っていませんか? それは大きな間違いです。

2-1. あなたのサイトが「犯罪の踏み台」になる

ハッカーは、大企業だけを狙うわけではありません。「鍵が開いている家(セキュリティの甘いサイト)」であれば、誰でもいいのです。

古いプログラム(WordPressの古いバージョンなど)を放置しているサイトは、格好の標的です。

もし乗っ取られたらどうなるか?

  • サイトの内容を「違法サイト」に書き換えられる。
  • あなたのお客様に、ウイルス付きのメールを勝手に送りつける(踏み台にされる)。
  • 顧客情報を抜き取られる。

こうなると、被害者であるはずの御社が、お客様にとっては「加害者」になってしまいます。 損害賠償や社会的信用の失墜により、倒産に追い込まれるケースさえあるのです。

2-2. アドレスバーに出る「保護されていない通信」の警告

御社のサイトを開いた時、URLの横(左上)を見てください。

もし「保護されていない通信」「安全ではありません」という警告文が出ていたら、赤信号です。

これは「SSL(通信の暗号化)」がされていない状態です。

わかりやすく言うと、「透明な封筒で手紙を送っている」ようなもの。お客様が入力した名前や電話番号が、第三者から丸見えの状態です。

今や、GoogleはこのSSL化を必須としています。警告が出るサイトにお問い合わせをする勇気のあるお客様はいません。


3. 知らぬ間に進行する「ブランド失墜」のリスク

セキュリティ被害に遭わなかったとしても、古いサイトが存在し続けるだけで、御社のブランドは毎日少しずつ削られています。

3-1. 「この会社、もう潰れてる?」と思われる

最終更新日が「2015年」で止まっている。

ブログの最新記事が「新年のご挨拶(5年前)」になっている。

デザインがひと昔前の雰囲気だ。

これを見たユーザーは、無意識にこう感じます。

「この会社、今はもう営業していないんじゃないか?」

「管理が行き届いていない、だらしない会社なのではないか?」

どれだけ実店舗が綺麗で、サービスが素晴らしくても、Webサイトが「デジタル廃墟」になっているだけで、新規顧客は離れていきます。これは「見えない機会損失」です。

3-2. 求人難の本当の原因かもしれない

今、どの業界も人手不足です。若い求職者は、ハローワークの票を見た後、必ずその会社のホームページをスマホで検索します。

その時、スマホで見づらく、古臭いサイトが出てきたらどう思うでしょうか?

「ITリテラシーが低い会社なのかな」

「将来性がなさそうだな」

そう判断され、面接にすら来てもらえません。

古いホームページは、優秀な人材を遠ざけるフィルタになってしまっている可能性があるのです。


4. Google検索から「消滅」するリスク

Web集客において、Googleに嫌われることは死活問題です。

10年前のサイトを放置することは、Googleに対して「私を無視してください」と言っているようなものです。

「モバイルファースト」の衝撃

現在、Googleは「スマホで見やすいサイトかどうか」を基準に検索順位を決めています。

PC専用の古いサイトは、それだけで評価が下がります。

「昔は社名で検索したら一番上に出ていたのに、最近は表示されなくなった」

「競合他社の新しいサイトばかりが出てくる」

これは偶然ではありません。Googleの評価基準が変わったのに、御社が対応していないから起きている必然の結果です。検索結果に出ないということは、Webの世界では「存在していない」のと同じことなのです。


5. では、どうすればいい? 安全なリニューアルへの道

ここまで怖い話ばかりをしてしまいましたが、安心してください。

サイトが古くても、今すぐ対策を始めれば、信頼を取り戻し、以前よりも集客できるサイトに生まれ変わることができます。

ステップ①:現状の診断(健康診断)

まずは、ご自身のサイトをスマホで開き、以下の点をチェックしてください。

  1. URLの横に「鍵マーク🔒」がついているか?(SSL化)
  2. 画面を拡大(ピンチアウト)しなくても文字が読めるか?(スマホ対応)
  3. 最終更新日は1年以内になっているか?

もし一つでも「NO」があれば、リニューアルの検討が必要です。

ステップ②:常時SSL化(https)への対応

これは最優先事項です。制作会社に依頼し、サイト全体を暗号化(SSL化)してもらってください。

これだけで「保護されていない通信」という警告が消え、お客様からの信頼度が回復します。

ステップ③:CMS(更新システム)の導入と保守契約

「作って終わり」ではなく、常に最新の状態を保てるようにしましょう。

WordPressなどの更新システムを導入し、セキュリティのアップデートを定期的に行ってくれる制作会社と「保守契約」を結ぶことをお勧めします。

月額数千円〜数万円のコストがかかりますが、ハッキング被害に遭った時の損害賠償額に比べれば、あまりにも安い保険料です。


6. まとめ:リニューアルは「コスト」ではなく「守り」

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

10年前のサイトを放置することは、鍵のかかっていない金庫を道端に置いているようなものです。

経営者の皆様にお伝えしたいのは、Webサイトのリニューアルは、単なる「デザインの変更」ではないということです。

それは、

① 企業の信頼を守る(セキュリティ対策)

② 将来の顧客と人材を獲得する(ブランド対策)

③ 検索エンジンでの居場所を確保する(SEO対策)

という、極めて重要な「経営判断」であり「投資」なのです。

「まだ動いているからいいや」

その油断が、いつか大きな事故に繋がる前に。

ぜひ一度、プロの制作会社に「今のサイトのセキュリティ診断」を依頼してみてください。

今のサイトを、安全で、美しく、そして利益を生み出す「最強の営業マン」へと生まれ変わらせるチャンスは、今あなたの目の前にあります。


【編集後記】

実は、この記事を書いている私自身も、過去にクライアント様のサイトが不正アクセスを受け、復旧に大変な苦労をした経験があります。

その時、社長様が「まさかウチが…もっと早く直しておけばよかった」と肩を落とされていた姿が忘れられません。

あなたには、そんな辛い思いをしてほしくない。

この記事が、御社のWeb資産を守り、さらなる発展への第一歩となることを心より願っております。

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